Google Art & Cultureが提供しているのは、説明にあるように、文化施設が持つ収蔵品などを共有するためのツールや技術、デジタル上のスペースです。利用は無料です。
公式サイトによると、パートナーとしてGoogle Art & Cultureに参加している施設数は下記の通り。
Google Cultural Instituteは現在、70カ国で1,400以上の文化施設、200,000点以上のオリジナル作品の高解像度デジタル画像、700万件のアーカイブ成果物、1,800点以上のストリートビュー博物館の写真、専門家による3,000点以上のオンライン展示をサポートしています。
Google Art & Cultureでは、具体的には高解像度のアートカメラ、360°のミュージアムビューなどのデジタル化技術、デジタル化する収集管理システム、コレクションに基づいたミュージアムのストーリー構築支援などを提供しています。Google Cultural Instituteと提携してパートナーになると、Googleが提供するこのようなプラットフォームが利用できるようになります。
登録できるのは非営利団体、美術館、ギャラリーなど、著作権フリーまたは著作権がクリアされたコンテンツを持っている文化施設です。登録は https://g.co/cisignup にアクセスし、Google Cultural Instituteからの招待状をリクエストする必要があります。上記URLをクリックすると、以下のような招待状リクエストのフォームが現れます。
Google Cultural InstituteやGoogle Art & CultureのウェブサイトはGoogle翻訳をかけると日本語化できますが、このフォームは翻訳されず英語のままですが、入力して「Submit」をクリックすれば招待状のリクエストは完了します。登録に関してのよくある質問 のページは日本語化できるので、そちらで疑問点は確認してから進めればいいでしょう。送信した後はGoogleからの連絡を待つだけです。
リクエストを送信して、招待状が送られてきたら、下記のようなプロセスで登録は進みます。
アカウントを設定
メディアファイルを準備してアップロードし、コレクションの各アイテムの詳細(メタデータ)を提供
コンテンツに対し、キュレーションツールを使ってオンライン上の展示を作成
利用可能な1つまたは複数の公開オプションを使用して、アイテムや展示物を披露するのに最適な方法を決定
登録プロセスの中で困ったことなどが出てきたら、Google Cultural Instituteのサポートも得られるようですので、わからないことがあっても安心ですね。登録がスムーズに進むと、1〜2ヶ月でオンライン上で公開されるそう。
ウェブサイトの役割として、Google Art & Cultureがどんなコンテンツがあるかな?と情報を探しているエンドユーザー向けとすると、Google Cultural Instituteはコンテンツを登録するパートナーである文化施設向けの情報を提供するサイトになっています。招待状をリクエストして、Google Art & Culture の中で既にコンテンツを公開しているミュージアムがどんな情報をアップしているか、どんなストーリーを作っているか、どのGoogleの提供しているツールを使っているかなどをチェックして、自館で何をこのプラットフォームで公開するかを考えておきましょう。収蔵品を一点一点紹介するか、展示や展示室内のストリートビューを公開したいのかなど、イメージをふくらましておくといいですね。
Google Art & CultureもそんなGoogleの哲学・理念のもとに世に出たサービスです。世の中にはまだまだ情報があふれている、情報のニーズはすべての国境を越える、ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる、です。世界の多様なアートや文化は国境を越えて共有する価値のあるものだとGoogleは考えた、だからそれを共有できるプラットフォームを提供した、情報提供する文化施設にとってはCMS(contents management system)のように使えるし、エンドユーザーにとっては世界中のアートや文化に自分の手の中のデバイスからアクセスできますよ、さあどんどん活用してください、というわけです。